2024年10月12日
10月5日に青森新都市病院で行われた「青森市内視鏡セミナー」で大腸内視鏡のデモンストレーターを務めてまいりました!
大腸内視鏡の挿入法を勉強する会です。
ん? なにそれ!?
聞いただけで相当マニアックなニオイが・・・
会員のお医者さんが被験者となって、
デモンストレーターが説明しながら大腸内視鏡を挿入して、
それをみんなで議論する会です。
挿入法にのみに特化した、ほかに例を見ないマニアックな会なんです!
そもそも、なんでそんな会があるの?ってはなしですけど
大腸内視鏡検査ってスコープを大腸の一番奥、盲腸まで到達させて、それから引き抜きながら観察してくるので、スコープを盲腸まで入れられないと検査になんないんです。
でも、このスコープを盲腸まで挿入するのが難しいんです。
泣きそうになるくらい・・・
みなさんが想像する3倍むずかしい
私が内視鏡を勉強しはじめたころは、大腸内視鏡の挿入法を具体的に教えてもらえることなんてほとんどありませんでした(遠い目・・・)
先輩医師の検査を見て、そして実際に自分でやって、
自己流で覚えていきました(遠い目・・・2回目)
あのころの医者はみんなそうだったんじゃないかな。
感覚に頼って技術を習得するしかすべはなかったんです(遠い目・・・3回目)
なので、大腸内視鏡検査をマスターするのには本当に苦労したなあ・・・
(とお・・・もういっか)
患者さんにはつらい思いをさせてしまったことも多々あって、
申し訳ない思いでいっぱいです。
途中で上級医に交代してもらうこともしょっちゅう。
そんなこんなで、何百例と症例を経験していくうちになんとなくコツをつかんで、
なんとか一人で検査を完遂させることができるようになっていきました。
あのころの僕を知っている上司からしたら、
あの軽部が挿入法の本を書いたなんて!って目ん玉飛び出ていることでしょう。
はなしがとっちらかってしまいました。
大腸内視鏡検査の目的は観察して、病変を見つけて診断し、治療することにあります。
その手前の挿入で苦労している場合ではないのです。
だから、とっとと挿入法をマスターして、
本来の検査の目的を果たせるようにならなければなりません。
それには教育が重要なのです。
方法論を具体的に言語化し、説明できるような医師が必要なのです。
私も含めひと昔前の医師たちのように挿入法をマスターするのにたくさんの時間を要することがないように。
スコープ操作は自分で練習してそれなりにできるようになって実際の検査にのぞんでいるので、
あとはどうやってやるか、という方法論さえ理解できれば、各段に技術の習得のスピードは速くなるはずです。
と、いうことを青森の先生方に熱く説明してきました。
みんなの役に立ったらいいなあ(最後の遠い目・・・)
上手な先生が増えたら、患者さんにも還元できるし。
患者さんたちが「大腸内視鏡検査ってそんなつらくないよ!」ってはなしになって、
そんで、一人でも多くの方が大腸内視鏡検査を受けてくれて、
そしたら、今は右肩上がりの大腸癌死亡率が、減少傾向に反転して・・・
なんて未来を想像しながら、
この活動を続けていきたいと思っています。