痔の手術
痔の手術
当院では肛門の病気に対する手術を行っています。
内痔核は、goligher分類3・4度の手術が適応とされています。
当院で行われる手術は結紮切除術という方法です。
内痔核に対して最も一般的に行われている手術で、根治率が最も高いと言われている術式です。
痔核そのものを切除する方法です。肛門の外側から痔核を切除していき、肛門の内側で痔核の根部を針糸で縫い締めて痔核を切除します。肛門の傷は解放(完全に縫い合わせない)状態となるので、術後に傷が完全に治るまでには1〜2か月程度かかります。退院後、定期的に外来通院していただきます。
術後の飲酒、運動の再開時期に関しては傷の治り具合によるので、外来で相談しながら再開していくようにしましょう。
手術は基本的に腰椎麻酔で行います。腰椎麻酔が不適な方には局所麻酔で手術を行うこともできます。
最も頻度の多い合併症は後出血です。ガーゼにしみる程度の出血は心配ありませんが、便器が真っ赤になるほどの出血の場合は自然に止血されないので再度腰椎麻酔をかけ止血処置が必要となります。
再発することもあります。その場合は再手術が必要になります。切除した部位が再発することはありませんが、その他の部位が腫れてしまい、再度症状が出てしまうことがあります。その場合は再手術が必要になる場合があります。
まれな合併症として肛門狭窄があります。数か所痔核を切除し、大きく切りすぎてしまうと創が治った部位が固くなり狭窄してしまうことがあります。程度がひどい場合は再手術で肛門拡張術が必要になる場合があります。
術後の痛みに関しては、程度は様々です。大抵は痛み止めの内服でコントロール可能な程度です。
入院期間は状態により患者様と相談の上決定しております。
裂肛は、慢性裂肛となり傷が治らない、ひどい痛みが続く、肛門狭窄の場合は手術が必要になる場合があります。
狭窄のない裂肛に行います。慢性的な治りにくい傷を切除し治りやすい傷にします。
肛門の筋肉の緊張をとるために行います。内括約筋繊維にわずかな切開を加え肛門を拡げます。
肛門が狭い場合に行います。裂肛部を切除し、括約筋繊維をわずかに節理して肛門を拡げます。その後皮膚の一部を切開し、肛門上皮の緊張をとります。
切れ痔はもともとの排便習慣の悪さが原因となることが多いため、術後の排便習慣をコントロールできないと裂肛が再発することが多くなります。そのため排便習慣を改善するために薬物療法が必要になる方がいらっしゃいます。
背中側の痔瘻や比較的浅い痔瘻に対する術式です。トンネルの天井を切開して解放します。細菌が入ってきた入口の部位も切開し解放します。
おなか側の痔瘻に対して行う方法です。トンネルに輪ゴムを通して少しずつ縛っていき、時間をかけて(2〜3か月)トンネルを解放します。ゆっくり切開されるので括約筋が切れるのと治っていく過程が同時に進行し、肛門機能のダメージが最小限に抑えられます。術後外来通院が比較的長期に必要で、診察時に何度か輪ゴムを締め直していきます。トンネルが解放されて輪ゴムがとれて、傷が治れば終了です。
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