2026年11月02日
― ノロウイルス対策は「手洗い」から ―
秋が深まり冬に近づくと、嘔吐や下痢を起こす感染性胃腸炎が増えやすくなります。代表的な原因の一つがノロウイルスです。家庭や施設内で広がることもありますが、日頃の手洗いと、症状が出たときの適切な対応が感染拡大を防ぐ助けになります。
1.感染性胃腸炎ではどんな症状が出る?
ノロウイルスによる感染性胃腸炎では、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがみられます。発熱は軽度のこともあります。症状は一般に数日で改善することが多い一方、乳幼児や高齢の方では脱水に注意が必要です。症状だけで原因ウイルスを特定することはできません。
2.予防の基本は石けんと流水での手洗い
トイレの後、調理や食事の前、嘔吐物などの処理後には、石けんを使い流水で丁寧に手を洗いましょう。指先、指の間、親指、手首も忘れずに洗ってください。アルコール手指消毒だけではノロウイルスへの効果が十分ではないため、石けんと流水による手洗いが基本です。調理する方に下痢や嘔吐があるときは、食品を直接扱う作業を避けましょう。
3.嘔吐物・便の処理は慎重に
嘔吐物や便には大量のウイルスが含まれることがあります。処理するときは使い捨て手袋・マスクなどを着用し、ペーパータオル等で静かに拭き取り、汚染した場所を適切に消毒します。ノロウイルス対策には、用途に応じて薄めた塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)が用いられます。製品の表示や公的機関の案内を確認し、十分に換気してください。塩素系漂白剤を酸性洗剤などと混ぜることは絶対に避けましょう。
4.症状が出たら、まず脱水を防ぎましょう
嘔吐や下痢が続くと水分と電解質が失われます。飲める場合は、経口補水液などを少量ずつ、回数を分けて補給してください。無理に一度に飲むと嘔吐を誘発することがあります。食事は吐き気が落ち着いてから、食べられる範囲で再開しましょう。症状が改善してもしばらく便中にウイルスが排出される場合があるため、手洗いを継続することが大切です。
5.こんなときは医療機関にご相談ください
水分がほとんど取れない、尿が極端に少ない、強いふらつきやぐったりした様子がある、血便や強い腹痛がある、症状が長引くといった場合は早めに受診してください。特に小さなお子さん、高齢の方、基礎疾患のある方では重症化に注意が必要です。意識がはっきりしないなど重い症状がある場合は、救急対応を検討してください。
まとめ
冬の感染性胃腸炎の予防には、石けんと流水による丁寧な手洗い、食品の衛生管理、嘔吐物の適切な処理が重要です。感染してしまった場合には脱水を防ぎ、体調の変化に注意しましょう。ご家族や周囲の方への感染を広げないためにも、日頃から基本的な対策を心がけてください。
参考:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」/国立健康危機管理研究機構等の感染性胃腸炎に関する公的情報